象徴的な存在であるケーブルカーに乗ることは、サンフランシスコ観光でやっておきたいことの一つですが、ケーブルカーについて学ぶことはまったく別次元の体験です。この無料の博物館は、子供だけでなく、歴史豊かなケーブルカーがどのような仕組みで動いているのかを疑問に思っていた大人にとっても楽しいスポットです。
ノブ・ヒルに位置するこの博物館は、1870年代のケーブルカー3台を所蔵し、そのうちの1つはクレイ・ストリート・ヒル鉄道を走っていた車両の中で現存する最後の1台です。また、昔のケーブルカーが見られるだけではありません。この博物館はワシントン通りとメイソン通りの交差点に位置する発電所と車庫の一部になっているため、ここで現行システムのケーブルに動力を与えている巨大な機構が動作しています。
ツールやグリップ、ケーブル、ブレーキなどが展示されているこの施設は、メカ好きには堪えられません。また、ケーブルカーの歴史を解説した展示もあります。歴史といえば、ケーブルカーが坂の多いサンフランシスコで初めて登場したのはもっともな話と言えます。発明した人物は、馬車馬が傾斜の強い道で苦しんでいるのを見て、蒸気を動力にしたシステムを思いついたそうです。ギフトショップでは、本物のケーブルカーのベルも販売されているのでチェックしてみてください。7月には毎年恒例のBell-Ringing Contest(ベル鳴らしコンテスト)も開催されます。1949年に初めて開催されたこのイベントは、現在はユニオン・スクエアで行われています。
もう1カ所、訪問しておきたいのがサンフランシスコ鉄道博物館です(こちらも入場無料)。エンバーカデロ通り沿いにあるフェリービルディングの向かいに位置するこの博物館では、ケーブルカーと昔ながらの路面電車の両方が与えた影響について学ぶことができます。1911年のサンフランシスコの路面電車を実寸大で再現したレプリカに乗り、車掌の気分でハンドルを握ることができます。